「闇の子供たち」

江口洋介がいつものように、ムダにかっこいい。

 

「日本に帰る時僕も連れてって」

現地で情報元になっている青年に言われ

「ここは天国だ帰らない」と答える南部 (江口洋介)

お金があればどこでも天国だ。

 

タイにおける児童買春と臓器売買のお話です。

昔からよく報道されているけれど、実態がどうなのかはわからない。

でも概ねドキュメンタリーに近いのではないか、と。

信じたくはないけれど、現実にあってもおかしくはない話である。

 

この件に関してではないけれど、数回バンコク旅行した自分が感じたこと。

 

タイ人って子どもが大好きで、凄く可愛がってくれるけど、

ペット感覚というか、子どもは子どもという生き物で

大人と同じ人間としては扱われていないように思う。

 

幼児を連れているとワラワラと人が集まってくる。

マッサージに行けば、待っている子どもの周りで

次々とタイ人のお姉さんがお昼寝をはじめて、

息子を囲んで猫鍋みたいになってる。息子身動きできず。

 

レストランの店主 (?) のおばさんに「ハンサムボーイ」

と声をかけられ、有無を言わせずほっぺにブチュー。

逃げる隙もなく固まる息子。

 

空港にて、ガラスの向こうにいる空港職員の男性が

息子の気を引こうと、ガラスをコツコツ叩きながらついてくる。

仕事しろ。

 

お姉さんが「I like baby」と言ったのが聞こえた時には

「僕はベイビーじゃないっ !」とえらくご立腹だった。

その時は1年生だったので、確かにその年齢はbabyではない。

でもバンコクでは赤ちゃんと同等くらいの扱いなのだ。

ひたすら可愛がられるだけの存在。

 

子どもの人格とか人権が軽く扱われている気がする。

あと、生と死がとても近い。

死というものがタブーではないというか、死が身近にある感じ。

いろいろ日本とは違う感覚なのだ。外国だから当たり前だけど。

 

現地のNGO団体でボランティアにはりきる宮崎あおいが、

いかにもそんな感じで、ずっとそんな感じだ。

自分を犠牲にしてまで、他人の為に行動できる人はそんなに多くはない。

自分がどうであろうと、他人にそれを強要することはできない、はず。

ボランティアという名の善意が暴走している。

それでも、動かなければ何も変えられないのだ。

頑張れ ! 宮崎あおい。役名は音羽恵子。

 

映画を見てるとかなりの確率で妻夫木聡が出てくるんですけど。

主人公な時は覚悟してるけど、脇役でしょっちゅう出てくる。

妻夫木聡リリー・フランキーが断りもなくしょっちゅう出てくる。

なんなの。

 

監督:阪本順治 日本 2008