雨あがりのラ・ラ・ラ

過去に中止や延期しているというのに何故時期をずらさないのだろう。

「誕生日に母への感謝を伝えたくて地元でイベントを計画。

 この日時以外の開催は考えられません」

なるほどね。

自分への感謝の為に、こんなに大勢の人間に右往左往されたら

ドキドキしちゃうわね。

 

私の実家ではかつて「美味しい」とか「いいね」みたいな

誉め言葉 (?) を使わないという鉄の掟が存在した。

そんな言葉を聞きつけたら、家族全員が飽きてもうイヤ~ッと

なるまで用意し続ける母親がいたからである。

私にはアメリカンドックという母親に捏造された好物がある。

「好きなやつ」と言われ続け、そうだっけ ? と思っていた幼少時代。

今でも時々食べます。美味しいけど好物っていう程でもないような …

自分が好きだったんじゃないの ?

仕送りにバナナチップが必ず入っている友人がいたので

(お母さんの好物らしい) どこの母親も似たり寄ったりなのかもね。

遠藤淑子さんの「なごみクラブ」という漫画に逆パターンのお話があって、

勘違いをそのまま受け入れるのも愛情のカタチなのかなと思った次第。

 

子どもが小学生の頃は、父の日母の日以外にも「親に感謝する」という

行事が多すぎる気がした。そんなに感謝される覚えはなくってよ。

ああすればよかった、あんな事しなければよかったと後悔ばかりですもの。

「ありがとう」と言われればそれはそれで嬉しいけれど、

喜ぶと思って言ってくれているんだろうから喜んだふりをしている気もする。

 

親にとって子どもはいつまでも子どもで、多分子どもが50才になっても

この気持ちは変わらないのではないだろうか。

感謝もありがとうもいらないから、小さい身体と小さい手でギュッと

掴んでくれていた時みたいに「お母さん大好き」って言われたいんだよね。

私はね。

 

先日子どもに「好きな子いないの~ ?」と聞いたら「いないよ」と言われ、

何一つ教えてくれないのはわかっていたのでそれはいいんだけれど

「じゃあ、今はまだお母さんが一番好きってこと ?」と言ってみたら

「それはナイナイナイナイナイ… 」と高速で否定されました。

壁に向かって座り込んでちょっと泣いてもいいかしら。

 

結婚してくれるって言ったじゃないの !

お嫁さんにしてくれるって … ダマしたのね …

 

 

 

「雨上がりのラ・ラ・ラ」 SHADY DOLLS