学校で課題でも出されたのか、子どもが読んでいたので盗み読む。
中学生の頃の教科書に載っていたので、だいたいの内容は知っていますが …
「メロスは激怒した」冒頭がいきなりコレ。
そういえば、いくつかの名作の冒頭文が並んでいて、その中から
タイトル、作者を記入して、その作品について400字書くという内容の
試験で大爆死したことがあったな、私。
多分太宰治だろうと思った作品は、お母様のスウプに髪の毛が入ってるとか
入ってないとか、そんなやつで、タイトルが思い出せない … あぁぁ …
となった覚えがあります。作品のタイトルは「斜陽」です。
思い出しても、斜陽について400字も書けなかったと思うのでいいんですが。
私は川端康成の「雪国」を選択しました。間違えようがないやつです。
私が記憶している「走れメロス」は、ちょっと暑苦しい友情物語。
配役するなら、メロスが松岡修造、セリヌンティウスが長嶋一茂。
妹役は、実写化されるとイメージに関係なく配役されている感のある土屋太鳳で。
メロスが正義感の強い人を通り越して、見境なく怒りっぽくてビビる。
おまけに、セリヌンティウスには何の断りもなく人質にしてるし。
2年ぶりに会う竹馬の友を、会ってもいないうちから人質推薦。
ラストがわかっているので安心して (?) 読み進められますが、疑問の嵐です。
妹の結婚式が近いのに、たった一人の身内として準備中なのに … 今 … ?
わりとトラブルメーカー体質のご様子なので、「内気な妹」というのも、
こんな兄に対して口答え出来ないだけという気がしました。
セリヌンティウスがお人好しすぎて、ちょっと心配になります。
友情に厚いのはメロスじゃなくて、セリヌンティウスです。
帰宅した子どもをつかまえて、「思ってたんと違う」話に花を咲かせる。
子どもも苦笑いしながら「僕もなんかおかしいと思ってたんだよね。
偉いのはセリヌンティウスでしょ」と言う。
偉いかどうかは別として、くれぐれもメロス君と友達にならないように。
大変な目に合うから。お人好しのセリヌンティウスですら、1回だけ疑った
らしいですから、我々に人質役は無理です。
何かしたら「邪智暴虐」「奸佞邪智」とか聞いた事もない悪口言われるし。
それに引き換え、邪智暴虐、奸佞邪智である王様は、あっという間に
心を入れ替える素直でいい人。こんな人とは友達になった方がいい。
なにしろ王様だしさ。