ついた餅より心持ち。

お餅を喉に詰まらせる老人は、日本のお正月の風物詩

といってもいいだろう。毎年誰かしら救急搬送されている。

残念ながらお亡くなりになられる方も数人。

年末になると、テレビでもネットでも注意喚起されているが、

お年寄りはお餅を食べるの禁止、なんて事にならないように

切に願っている次第。

 

老人世代はお餅が好きなのだ。年代的に「ごちそう」でもあるのだ。

食欲がなくなっても、お餅なら食べられる場合もあるのです。

死期の近づいた父親が、お餅なら食べられるという時期があり

小さく切ったお餅を、毎日食べていたようだ。季節は夏。

こんな時期にお餅なんてどこで買うのよ、と問う私に

切り餅ならスーパーに売っているのよ、お年寄りが買うみたいで、

と姉が言う。

 

お餅は年末について丸餅にしていた実家。

お餅つきをしない年は、のし餅を買ってきて柔らかいうちに切り分けていた。

切り餅はとても便利なので、私も年末には買います。

切り込みが入っているやつ、いいですよね。

 

お正月以外でも需要があるらしく、確かにスーパーの一角で売られている。

姉の言う通り、お年寄りが購入している姿をよくみかける。

お年寄りはお正月以外にもお餅を食べるのです。

お正月以外でも、喉に詰まらせて救急搬送されたりしているのだろうか ?

 

ゆっくりと食事をしていても、変なところに入ってむせる事はありませんか ?

私はあります。飲み込む力が年々弱くなってきている気がする。

赤ちゃんも幽門がどうとかで、噴水みたいに吐き出す事がありますね。

お年よりのお餅問題は、慌てて食べないとか、

そういう問題ではない気がする。

 

田舎の祖父はお餅つきの最中に亡くなった。

家族が庭でお正月の準備をしている時に、自室でそっと息を引きとった。

「みんな忙しそうだったから」と祖母が1人で看取ったそうだ。