冬休みの宿題は、家族のための食事作りです。
先生~、家族のためを思うなら宿題を出さないでください。
年末年始は忙しいんです。宿題の相手なんてしていられない、したくない。
「何作ろっかな~、何作って欲しい~?」
家庭科の教科書を見ながら子どもが言う。
調理実習でやったやつで ! いつものスクランブルエッグでいいんじゃない ?
うちの子の作るスクランブルエッグは世界最高に美味しい。
とにかく、1人で出来るやつで頼むよ。
教科書に載っていないやつ、もっと難しいやつがいいと言う。
チャレンジ精神を無駄使いする男。
カレーがいいよ、カレー。
箱の裏に書いてある通りに作ると美味しくできるらしいよ。
研究し尽くしたレシピらしいからね。
危なっかしい手つきの調理作業にハラハラしつつ、
なるべく口出しせずに、手出しもせずに …
キッチンスケールを使って、きっちりと材料を軽量する子どもを見つめる。
丁寧に丁寧に灰汁を取り続ける子どもを、そっと見守る。
世界最高に美味しいカレーが出来ました。