今年も子どもが、小声でそぉ~っと繰り出す
「本当は、サンタっていないんだよね … ?」
の質問を無事やり過ごしました。
サンタさんはいるっていう事になっています。我が子の周辺では。
そう親御さん達が信じさせている。凄い労力を使って。
幼稚園児の頃、5年生のお姉ちゃんのクラスでサンタさんがいない
っていう話をした子がいるって、本気で怒っているお母さんがいた。
何でそんな事言うのよ !!! お怒り具合は相当なものだった。怖かった。
私自身、仲良しのママ友に「バカにしたりしちゃダメよ。
それだけは言っちゃダメ」って毎年何度も念を押されているので、
未だに我が子相手に言葉を濁している。
「信じている人のところにだけ来るらしいよ … 」
毎年サンタさんにお手紙を書くらしくて、6年生のお兄ちゃんが
引越しの時に今までの手紙を見つけてしまい
「何でこの手紙がここにっ !!!」ってなって、とうとう真実を
話したっていう話は、てっきり未だに信じていたバカ息子の話だと
思って聞いていたら、きちんと片づけておかない夫への怒りでした。
3年生の頃、うっかり「クリスマス何買ってもらうの~」と、
お友達に聞いたら、横にいたお母さんに
「プレゼントはッ、サンタさんがッ」と鬼の形相で怒鳴られた
のだけが痛恨のミスです。今のところ。
私が子どもの頃は、サンタさんって人が外国で活躍してるって噂を
聞きつつ、クリスマスには親からプレゼントを買ってもらえる家もある、
っていう程度の行事だったと思うんですが、田舎育ちだから ?
幼稚園のクリスマス会にサンタさんの恰好をした人が登場して
「あれ、石井先生だね」ってみんなでコソコソ言っていた覚えがある。
幼稚園児がみんな、気づかないふりをして大人の気持ちに配慮していた
思い出。
私の実家は、お正月以外のイベントには力を入れない家だったので
クリスマスとか誕生日を楽しみにしていた覚えがない。
おもちゃを買ってもらった覚えはあるし、そこそこの数を所有していた
ので、お中元やお歳暮の時期に、デパートで発送手続をするついでに
何か買ってもらっていたのではないかと、大人になって思い当たった。
多分正解だと思う。
幼稚園で「あわてんぼうのサンタクロース」を習ってきて以来
サンタ、プレゼント間違えたりしないの ?
ちゃんと欲しい物持ってくるの ?
どこで買うの ?
お金払うの ?
次々と疑問を投げかけてくる子ども。
サンタさんの存在というより、人間性を疑っているご様子。
そもそも呼び捨てだし。
今思えばファーストコンタクトが悪かった。全面的に私の力不足。
まだ子どもが幼稚園に入園する前、我が家でもサンタさんがプレゼントを
持ってきたというていで、枕元にプレゼントを置いていた事がある。
朝起きて、プレゼントを見つけて大喜びする子ども (予定)
可愛い我が子に目を細める母 (私) 、信じて疑わないシナリオだった。
朝起きて、子どもはプレゼントの箱をジッと見つめ固まっている。
サンタさんからのプレゼントだよ。あなたのだから開けてみれば ?
「サンタ来た ?」
そうみたいだね、プレゼントあるし …
「かか (お母さん)、会った ?」
え~と、気づかなかった … 全然気づかなかった …
何度勧めてもプレゼントの箱に触ろうともせず、
しまいには、泣きながら部屋から出て行こうとする子ども。
顔に浮かぶのはまさに「恐怖」 そりゃそうだよな。
知らない人が知らないうちに部屋に入って来てたら怖い。
親、何やってんだ ! 頼りになんねぇな ! って感じか。
その後は1日のほとんどを抱っこで過ごした。降ろそうとすると泣くので。
それ以来、我が家ではサンタさんは出入り禁止になっている。
「来ないでって言っといて」と言われたこともあるし、
戸締の確認がしつこい。
本物サンタとお父さんサンタを選ぶシステムを導入してからは
「サンタより、お父さんの方が確実 !」
「でもサンタだったら、タダなんだよね~」と父親の懐具合を心配しつつ
結局いつもお父さんサンタにお願いしている。
多分、お手紙を書くのが面倒だからだと思う。
最近は、サンタさんが来るのは10歳までっていう説が出ているらしくて
「うちはサンタに頼んでないから関係ないよね ?」と確認された。
私は、子ども相手に身もふたもない事を言う親なので、私が
「サンタはいない」と断言するまでは、子どもはサンタの存在を
99%疑ったまま、もしかしているのかな、と疑っていくのだと思う。
『お母さんがいないって言わないって事は、
もしかして、本当にいるのかも … 』
毎年そんな顔をしている。