買い物から帰って、自転車を停めたら
「ニャア」という鳴き声がして、足元に三毛猫様がやってきた。
「あ、あ~っ !!」
子どもは学校に行っている。まだまだ帰ってこない時間帯。
「待って、待って、ちょっと待って」
「今いないんだけど、うちのお兄ちゃんが会いたがってるの。
だからまた来て。夕方とか…」
説得している最中に、道路に車が進入してくる気配を察して逃げ去る三毛猫。
近所の犬が吠えている。
また私だけ猫に会ってしまった。会いたがってるの子どもなのに。
「あのさ、今度猫ちゃん来たら、何か食べ物あげたらどうかな」
子どもが提案してくる。餌づけして気をひこうとしているもよう。
「月曜から夜ふかし」で見たからでしょ ?
野良猫にエサやるのはよくないんだよね…
「野良猫じゃないって言ってなかった ?」
そうねぇ、多分飼い猫のお散歩だと思うんだけど…
隠し事が積み重なっていく。こうして人は嘘つきになるのです。
「お小遣いで買うから !」
そういう問題じゃないのよ。
エサはね、エサはね、チャオチュールのマグロ味が入ってるのよ、
私のカバンの中に。最強らしいわよ、このオヤツ。