いつもは見ない夜会。
子どもが見たいというのでおつきあい。
夜会ってあまり見たくない。さみしくなるから。
この儚い感じが大道芸の良さなのだろうな、とは思うけど。
子どもといると、そういう気持ちは吹っ飛ぶ。
情緒のようなものは全くなくなる。なんか忙しい。
日本一長い夜会。2時間あるらしい。
もしかして2時間出てくると思ってる ?
バカだな。フィナーレだけだよ。
2時間ずっと出てたら本編より長いじゃないか。
「青い服の人ばっかりだよ。これじゃ見つけられないよ」と言う。
落ち着け。青い服を着た人が多い訳じゃない。ごく平均的分布だ。
こんな人混みじゃ見つけられないよ。階段の上のところに行こうよ。
馬鹿と煙は高いところへ上るっていうのよ。覚えときなさい。
19:40をまわっても出てこない。今日は出てこないかもね。
「出ないのに宣伝するわけないよ !」とムキになる。
そりゃそうだけど、いろいろ事情があるからね。ハプニングとか。
すると、どこからか現れる加納さん。通路に入って行く。
全然気がつかない子ども。今、君の隣通ったよ ?
「えっ ! いつっ !」 だ・か・ら・今 !
しばらくすると、リコーダーを持った加納さん現る。
そこそこ。ほら、右 !
あの楽器の向こうだから。
ここからじゃ見えないけど、いるから ! 行っておいで。
人混みでは全然見つけられない子ども。まだまだだな。フフッ。
一仕事終えたような気分になるワタクシ。夜会にて監督デヴュ~。