歯科検診

欧米では歯並びが悪い人はダメなのよ。

子どもの頃、いろんな人が言っていた。

私は日本人だし、ここは日本だ。

私はいつもそう思っていた。

 

その言葉通り、歯の矯正をしている子が周りに何人もいた。

兄もしていた。あれ高いんだよね。

私は歯並びは悪くなかったんだけど

前歯に結構なスキマがあった。マッチ棒が入るくらい。

矯正するかどうか母親が悩んでいたところ

(高いからね)

ちょうどよく (?) 前歯に虫歯ができた。

治療をかねて私の前歯は4本分、かぶせるタイプの差し歯だ。

 

時を経て、日本では嫌われるこのスキっ歯、

欧米ではチャームポイントだっていうじゃないですか。

わざわざ歯を削るヤカラもいるらしいっすよ !

あの頃さんざん言われた「欧米では」って何だったのかしら。

おフランスでは「幸運の歯」っていうらしいです。

 

そんな話はまだ知らなかった頃、

子どもの歯科検診で、上唇小帯が長くて太いので

将来手術が必要になるかもしれません、と言われた。

ピッとここを切るだけで、時間はかかりません。

 

わかってる。

世の中には、生まれた時から保育器の中で

必死に生きている赤ちゃんや、

生後数カ月から手術を繰り返す子どもがいる。

わかってる。そういう子に比べたら、

口の中をピッと切るだけの手術なんて

たいしたことではない。

 

でも、それでも私はショックだった。

手術、手術か…と寝ている子どもの唇をめくったり、

ネットで検索してはタメ息をつく日々。

毎日じゃないけど。

 

先日の歯科検診で、

この程度なら切らなくても大丈夫

歯科医師に言われた。ホッ。

どんな小さな手術だとしても、手術って怖い。

それが自分の子どもなら倍増だ。

 

今はオシャレでTATOOを入れる人も少なくない。

それこそ欧米では普通のことなんだろう。

東京オリンピックに向けて、入浴施設の入れ墨禁止が

問題になっているっていうし。

 

でもね、TATOOを入れる時には、私に事前に知らせてほしい。

事後報告じゃなくて。

心の準備をさせてほしい。

いろいろ思うところはあっても、反対はしないつもりだ。

デザインの段階から参加させてくれ。

大丈夫。ドラえもんとか提案しないから。真面目にやるから。

 

今のところは、オシャレじゃない母親の子は、

オシャレじゃない大人に育つだろうから大丈夫

って、自分を励ましている。